in my blood river

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【おすすめ美術展】野口里佳 不思議な力展@東京都写真美術館

新年3日、少し前から見たかった『野口里佳 不思議な力』展へ。

今はなき(悲)大好きだった品川の原美術館で見た『飛ぶ夢を見た』展以来なので楽しみ。

事前にwebチケットを購入しようとしたのだけど、なぜか3日は開館のはずなのに買えない…?なので直接チケット売り場へ。

すると売り場の方曰く「お正月なので、無料です(ニッコリ)」
ええっ!まじですか…ラッキー!  これは私的にお年玉だったかもしれない。

 

野口里佳氏は、以前から好きな写真家の一人でして。
彼女の写真には女性らしい柔らかさや温かみ、時に刹那を感じさせる印象もありつつ、
論理的で突き放したようなクールさがあると思う。



写真家として認められるきっかけになった「潜る人」なんかは、
当初男性の作品かと思ったもの。

時に「情念」や「エロス」方面に走りがちな女性作家とは一線を画す、
どこかクールで客観的な、頭の良い女性像が垣間見えるところが好きなのだった。

 

    



今回の展示の中では個人的に、亡くなった彼女のお父様が生前に撮った、家族のポートレートや花の写真のネガを、彼女自身が現像した作品に心を動かされた。

少しぼやけた、当時のネガフィルムの味わいが、幸せな家族の過去の懐かしくて愛おしい時間を象徴しているように思えます。

お父様も、やはり親子というか、構図の取り方や写真自体とてもお上手だったんだなと思う。
だけどやっぱり「愛する家族や何気ない日常や日々の暮らし、
それを当時のフィルムカメラで撮るー。」
この一連の作業が、とても愛おしい時間として目の前の作品から伝わる。
私自身、時間が巻き戻るような感覚を覚える。そしてこみあげてくるものがあった。

 

ガーデンプレイスのイルミネーションに微笑むカップルたちを横目に、都心の夜の静かな空気を堪能して家路に。人がいつもより少ないから?冬の澄んだ空気がいつもより心地よい。

感性を刺激してくれるものに触れる時間は、心に余裕がなくなりがちな毎日に、多くの気づきと余韻と潤いをくれますね。

 

恵比寿の写真美術館で22日までなので、気になった方は是非♪